プロジェクト紹介
清水建設本社ビル建設プロジェクト
最先端技術を組み込んだ
天井パネルの大規模施工に挑戦
プロジェクトの流れに沿って、
各職種の関わり方と役割をご紹介します。
2012年8月に営業を開始した清水建設本社ビルの建設において、MILXは仮設資機材のレンタルをはじめ、内装工事や工事保険、事務機器のリース、工事現場の警備など、全社を挙げて工事をサポートしました。
その中でも特に天井の工事については、最先端の空調技術を組み込んだ輻射天井パネルを約30,000m2という大規模面積に設置すべく、清水建設のプロジェクトチームと一体となり、計画段階から実際の施工までさまざまな提案と検証を続けました。
最大の課題は輻射天井パネルの耐震性確保
清水建設本社ビルは、CO2排出量をできるだけゼロに近づける“ゼロ・カーボン”を目指し、最新の環境技術を盛り込んで建てられました。その核となる技術の1つが、輻射空調システム(詳細は清水建設新本社スペシャルサイトをご覧ください)です。同ビルの輻射空調は、熱は温度の高いところから低いところへ伝わるという性質を利用したもの。例えば夏場は、天井に設けた輻射天井パネルに冷水を供給することで、室内の熱が天井に向かい、室内温度が調整されます。
社内の連携と異業種との連携が成しえた工事完遂
この課題に対し、当社では技術部と建設事業本部が連携し、スペシャルチームを編成。まずはパネル本体の軽量化を試みるべく、清水建設の技術研究所をはじめとする技術スタッフと当社技術部が協力し、パネルに用いる材料の耐震実験を始めました。さらに耐震性を高める施工方法の検討では、実際にパネルの設置を担当する当社の建設事業本部の施工管理担当者も合流。材料と設計を鑑みて、安全性やコスト面などにおいて最適な施工方法のアイデアを出し合い、パネルの仕様を決めていきました。
施工現場で生じる試練
しかし、実際の施工では、新たな試練が生じます。空調設備を組み込んだ天井パネルであるがゆえに、パネルの施工にあたっては、通常は同じ作業を共にしない設備工事会社と連動して動く必要がありました。作業の流れを端的にいえば、まず当社が天井パネルを設置する。その後、設備工事では天井パネルに組み込まれた冷水供給パイプの端を隣の天井パネルのパイプの端とつなげるという作業を行います。どの場所で、どれくらいのパネル数で作業を区切り、設備工事へ受け渡すのが全体の工期、コストから見て最適か。施工当初は両社とも手探りでしたが、施工手順について綿密な打合せを繰り返すことで、徐々に作業がスムーズに進捗。高品質の作業を最後まで続け、無事工事を完遂させました。
1つの工事の裏には蓄積してきた技術と人との絆がある
今回のプロジェクトに携わった当社の技術、施工管理の担当者は口を揃えてこう言います、「今回の工事を実現できたのは、社内の団結はもちろん、職人さんの協力があればこそ」。内装工事で実際に作業するのは、当社の協力会社の職人さんたち。今回のパネル施工に向けては、その中から専任のリーダーとなる職人さんを複数選び、工事内容をより深く理解してもらえるよう、計画段階からずっと一緒に動いてきました。そのこともまた、工事成功の大きな要因です。
最先端の空調技術を組み込んだ清水建設本社ビルの天井。そこには、当社が蓄積してきた技術とノウハウ、そして、この工事に携わった多くの人たちの絆が、刻まれています。
完成した清水建設本社内の執務スペース